2012J2第23節千葉-京都(フクアリ)観戦メモ
意地の一発。
意地の勝ち点3。
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7月8日(日) 2012 J2リーグ戦 第23節
千葉 3 - 2 京都 (19:03/フクアリ/8,657人)
得点者:57' 大塚翔平(千葉)、69' 藤田祥史(千葉)、78' 山口智(千葉)、80' 安藤淳(京都)、90'+5 中村充孝(京都)
【主審】木村 博之【副審】相樂 亨/清野 裕介
【天候】晴 21.6℃ 77%
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藤田と深井のプレスで奪ったボールを深井が身体を投げ出して繋ぎ、藤田を経由したボールは兵働の左足アウトサイドにかけた芸術的サイドチェンジパスでどフリーの大塚へ。
大塚は右足でワントラップした後、バクスタ全体から放たれた「打てぇ!」という言葉と共に右足一閃。
ジェフサポの声を乗せて加速したボールはニアポストをぶち抜き見事なゴール。
先月13日の鳥取戦。
観戦メモで記そうか迷った末に止めましたが、この日は平日開催であったこともありいつもとは違う席で観戦しておりました。試合終盤に大塚が交代出場するやいなや、たまたま隣に座っていた私と同年代のご夫婦の旦那さまが猛烈に大塚をヤジりはじめ、そのまま試合終了後まで聞かされるという嫌な思いをしました。
確かに素晴らしいサッカースキルの片鱗を見せるものの、他の選手と比べて運動量が足らず、「勝ちたい」という泥臭い気持ちがプレーから感じ取れない大塚に対して苛立ちを覚えるジェフサポも少なくなかったことでしょう。
でも、目の前のピッチで黄色のユニを纏って闘っている選手に対して初めから人格を否定するようなヤジを発する行為に嫌悪を感じた私は、これ見よがしに「大塚がんばれ!」と声を出して隣の旦那さまにささやかな抵抗をしておりました。
そんな経緯があったためか、この大事な京都戦で貴重な先制ゴールを決めてくれた選手が大塚だった事が本当に嬉しかった。
ビデオを見返すと右サイドでボールを持った大塚に対して、中央でも藤田がフリーでいましたが、そんな状況はお構いなしで思いっきりニアをぶち抜くゴールを決めた大塚に心から拍手を送りたいと思います。
この日の試合は序盤から互いの良さを消し合うような、互いののど元にナイフを突きつけ合うような緊張感溢れる展開。
ジェフ側から見ると、素早いパス回しの京都にハイプレスを掛けて奪ったボールが、なかなか前線の藤田や兵働に治まらず、再び奪い返される事の繰り返しで、素人ながら上手くいっていない事が理解できました。
しかし前半を評した木山監督曰く「素晴らしかった」という事は、すべては狙い通りに試合が進んでいたらしく、後半57分に前述のように先制点を取ったことで試合プランは完璧な物になったようです。
確かに、巧みなボール回しを見せる京都も非常にコンパクトなエリアに密集するためボールサイドに選手が寄りすぎる弱点がある事は前半から見ていて分かっていました。その弱点であるスペースを突いていたのが右サイドの田中だったのですが、前半途中に京都の選手と交錯した際に足を痛め前半終了間際に途中交代。
正直、この交代は非常に痛すぎるなと考えていましたが、木山監督の選択は米倉でも大介でもなく、大塚。
ハーフタイム、選手がロッカールームに引き上げる中で大塚はユニフォーム姿のままピッチに残り、サブの選手と共にボール回しの練習で体を動かして、来るべき瞬間に入念な準備をしているかのようでした。
後半、大塚の先制点で試合が動くと京都が反撃開始。
ジェフの右サイドで京都の駒井がスルーパスに抜け出しGKと1対1。失点を覚悟する場面でしたがGK岡本が身体を横に投げ出してシュートをブロックしてピンチ脱出。
岡本のポジショニングと飛び出しの判断の素晴らしさが出た場面でした。
その直後、FKから兵働→深井→武田と繋ぎ、左サイドからの美しいクロスを藤田がドンピシャヘッドで2点目。
更に、自陣でパスカットした智からボールが繋がりカウンター。中央で兵働がドリブルしながらDF3人を引き付けて右サイドのスペースへラストパス。
そこへ走り込んできたのは、なんとCB智。
右足でトラップしたボールを左足に持ち替えてゴール、3点目。
最初はゴールを決めた選手が智とはにわかに信じられず、何度も背番号を見返しながら「なんでお前がそこに居る!」と叫んでおりました。
自陣でパスカットした瞬間から動き出し「兵働の持ち方で絶対出てくると思ったので頑張りました」というだけ長い距離を走ってのゴールは見事でした。
このまま3-0で試合を終えていたなら完勝と言うべき試合でしたが、ここから集中が切れたように2失点した事は残念でした。
でも、この試合は結果が全て。
諸手を上げて勝利に酔いしれるよりも、反省点を残して少しでも早く次の試合の準備に取り掛かる方が良いとポジティブに考えましょう。
それにしても試合を通してピッチ上の選手とベンチのサブメンバーやスタッフからも「勝ちたい」という気持ちがビンビンに伝わるような熱い試合でした。
それに呼応するようにサポの応援もスタンド全体から声や拍手が響き、良い雰囲気が出来ていました。
過去2年経験した悔しい夏にはしたくないという、まさしく意地の勝ち点3。
こんな試合を続けたいと思います。
J2の順位は1節毎に乱高下する大混戦で、なかなか落ち着かない状況ですが、何とか勝ち点を積み重ねてしぶとく上位陣に留まり続けたいところ。
次節も難敵横浜FCが相手ですが、良い準備をして最良の結果が得られるように頑張りましょう。
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コメント
おはようございます。大塚選手1点というFWとしての結果でてほんとうに良かったです。5月練見行った時もうまいなあ~とみてました。でも影うすくもあり・・・転校生みたいな感じ?って思っていたよ。厳しい目で見てる人もいるんですね。佑昌選手の怪我で急な出場HTも身体動かしていたとは。佑昌選手の怪我が軽いといいです。智さんあれ~どんどん走ってる!と思ったらパスでてまたどんどん上がってどこまでいく?とおもったらゴール。疲れてるはずなのにね。うれしいゴールでした
投稿: matti | 2012/07/11 07:28
>mattiさま
コメントありがとうございます。
転校生みたいな感じとは、非常に絶妙な表現で思わずうなずいてしまいました(笑)
このゴールを機にますます活躍して欲しいですね。
投稿: speedster | 2012/07/11 23:45