青木良太からのロングボールに、巻がゴールに背を向けながら長友を抑え込む。
そのまま巻が胸でボールをはじき、「俺によこせ!」と言わんばかりに走り込んだドフリーの谷澤にイージーパス。
巻はその後「俺に向って撃て!」と、背中で抑えた長友と共にシュートコースを開ける。
待ってましたと谷澤が渾身の力を込めて右足を一閃。
ボールは全世界のジェフサポの祈りに押されるかのように美しい弾道を描き、黄色いゴールネットを揺さぶり、同点!
「うぉおおおお!!!」
と叫び声を発した後、「まだ時間がある!早く戻れぇ!」と叫んでいたら、両目から涙がこぼれてきました。
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12月6日(土) 2008 J1リーグ戦 第34節
千葉 4 - 2 FC東京 (14:34/フクアリ/17,152人)
得点者:39' カボレ(FC東京)、53' 長友佑都(FC東京)、74' 新居辰基(千葉)、77' 谷澤達也(千葉)、80' レイナウド(千葉)、85' 谷澤達也(千葉)
【主審】松村 和彦 【副審】手塚 洋/八木 あかね
【天候】晴 14.1℃ 39%
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とにかく、凄い試合でした。
一つのサッカークラブを応援し続けて、こんな試合と遭遇することは恐らくほとんど無いでしょう。
0-2で負けていて、しかも、いつもの見慣れたジェフの如くゴールの匂いすらしない状況だったのに、新居のゴールで雰囲気が一変。
1点目から4点目まで、3~5分の間隔で点数が入った訳ですから、目の前の光景は現実なのかと疑ってしまうほど、信じられませんでした。
ただ、レイナウドのPKの場面は本気で祈りましたよ。両手を合わせてね(苦笑)
これまで05ナビスコFINALとか、06ナビスコ川崎戦とか、しびれるようなPKを何回か見てきましたが、両手を合わせて握りしめたベタな祈り方をしながらPKを見たのは初めてでした(笑)
この日はいつものようにSA自由席2階の最前列で見ていたのですが、気が付くと立ちながら前の手摺りを握りしめてチャントを叫んでいました。
その位、必死。というか、闘ってましたね。ピッチの選手と一緒に。
これは私だけでなく、ゴール裏はもちろん、メイン、バックに陣取ったジェフサポのほとんどが立ち上がり、全員で闘ってました。
こんなのフクアリが出来て初めてじゃないかなあ。
そんなジェフサポの声に押されるように選手たちもよく走ってくれました。
特にレイナウド。
私はこの試合のMOMを選べと言われたら迷いなく彼を選びますね。
PKゲットの場面もそうなのですが、試合終盤までこれほど献身的に走り続けるレイナウドの姿に、「こいつは本当にレイナウドなのか?」と思ってしまうほど(笑)
そして、巻。
主力選手が次々とジェフから移籍する中で、黄色いサポーターが好きだからと一人クラブに残ってくれた巻が、持ち得る全てのエネルギーを爆発させながら、敵のボールホルダーを追い続け、ロングボールに勝ち続け、終盤は最終ラインに残ってハイボールを弾き返し続けてくれました。
この試合、大逆転勝利をおさめて残留を成し遂げたことはもちろん嬉しいのですが、それよりもこんな選手達と我々サポが共に一体となって闘って勝てたことがもっと嬉しかった。
現場では本当に必死でしたので気がつきませんでしたが、後から考えるとサポーターとして幸せな時間だったなあと。
試合終了後、とにかく他会場の結果が気になり携帯をチェックするもネットが全く繋がらない。「くそ!いつも肝心な時にDoCoMoは使えねえな!」と悪態をついていると大型スクリーンに東京V-川崎の中継が映し出され、ほどなく東京Vの敗戦が確定。
「よし!まずは自動降格は回避。あとは磐田はどうなった?」と再び携帯をいじくるも、使えないDoCoMoは相変わらずの反応。
ピッチ上では、選手達が抱き合いながら喜んでるが、これがどのレベルの喜びなのか全く分からない。
そして谷澤のヒーローインタビュー。
「お聞きしたいことはたくさんありますが、まずは・・・」とアナウンサーがしゃべり始めた時、全ての結果を教えてくれるのかと期待していたら、「今日の観客17,000人・・・」と肩透かし(笑)
やっと「東京V、磐田、共に敗れた・・・」の声が聞こえた瞬間、この試合6回目の大絶叫。
そして涙。
目の前が真っ白に。
みんなと喜びたいのに、泣くことしかできない。
いつの間にか谷澤のインタビューが終わってて、みんながAmazing Graceを歌っている。
自分も歌わなきゃと思い、タオマフを掲げるも、やべえ、涙が止まらない。
声が出せない。
くそ、Amazing Graceが歌えねえじゃねえか。
その後も、社長、巻、東美のスピーチに涙。
本当にみんなみんなありがとう。
2008年は苦しかったけど、選手もサポもスタッフもみんな頑張ったよ。
2009年シーズンも、胸を張ってJ1の舞台で共に闘いましょう!
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